表現を選んだ基準
旅行者に必要なのは、文法よりもすぐに口に出せるいくつかの文です。このガイドでは、初対面の人や店のスタッフに使っても失礼にならない丁寧な表現だけを選びました。韓国語の丁寧語は文末が요(ヨ)か니다(ニダ)で終わりますが、요で終わる話し方のほうがやわらかく日常的なので、旅行ではこちらが一番使いやすいです。文をまるごと覚え、ものの名前だけを入れ替える練習をすれば、すぐに応用がききます。カタカナの読みはあくまで目安で、完璧な発音でなくてもたいてい通じるので、自信を持って話してみてください。
あいさつと返事
あいさつは一日中同じ表現でかまいません。日本語のように、朝・昼・夜であいさつを使い分けないのが大きな違いです。ありがとうには二通りの言い方がありますが、どちらも丁寧です。店に入るときに안녕하세요、出るときに감사합니다と一言かけるだけで、印象は大きく変わります。
- 안녕하세요(アンニョンハセヨ):会ったときの基本のあいさつ。時間帯を問わない
- 감사합니다(カムサハムニダ)/고맙습니다(コマプスムニダ):ありがとうございます。どちらも丁寧
- 죄송합니다(チェソンハムニダ):謝るとき、ぶつかったとき
- 네(ネ)/아니요(アニヨ):はい/いいえ
- 괜찮아요(ケンチャナヨ):大丈夫です。結構です、と断るときにも使う
飲食店で
メニューの名前が読みにくければ、メニュー表や写真を指さして이거 주세요(イゴ チュセヨ)と言えば大丈夫です。数を伝えるときは、料理名のあとに하나(ハナ)、둘(トゥル)を付けて주세요を続けます。辛いものが心配なら、注文のときに先に伝えておきましょう。
- 이거 주세요(イゴ チュセヨ):これください。指さしながら言う
- 비빔밥 하나 주세요(ピビンパプ ハナ チュセヨ):料理名+数+ください
- 덜 맵게 해 주세요(トル メプケ ヘ ジュセヨ):辛さ控えめにしてください
- 포장해 주세요(ポジャンヘ ジュセヨ):持ち帰りにしてください
- 계산해 주세요(ケサネ ジュセヨ):お会計をお願いします
お店と支払い
値段を聞くときは얼마예요(オルマエヨ)と言います。答えは数字で返ってくるので、聞き取りにくければ電卓やスマートフォンの画面に数字を出してもらうのが確実です。カード払いは広く使えますが、小さな店では先に聞いておくとお互いに楽です。
- 얼마예요?(オルマエヨ):いくらですか
- 카드 돼요?(カドゥ トェヨ):カードは使えますか
- 이걸로 할게요(イゴルロ ハルケヨ):これにします。選ぶとき
- 영수증 주세요(ヨンスジュン チュセヨ):レシートをください
道をたずねる・交通
어디예요(オディエヨ)は、場所の名前のあとに付けるだけの便利な表現です。タクシーでは言葉で説明するより、行き先の住所を画面で見せて여기로 가 주세요(ヨギロ カ ジュセヨ)と言うほうが確実です。降りたい場所では여기서 내려 주세요(ヨギソ ネリョ ジュセヨ)と言います。
- 화장실 어디예요?(ファジャンシル オディエヨ):トイレはどこですか
- 서울역 어디예요?(ソウルリョク オディエヨ):場所の名前+どこですか
- 여기로 가 주세요(ヨギロ カ ジュセヨ):ここへ行ってください。住所を見せながら
- 여기서 내려 주세요(ヨギソ ネリョ ジュセヨ):ここで降ろしてください
数字は二通り
韓国語には数の数え方が二通りあり、旅行者が一番戸惑うところです。하나(ハナ)、둘(トゥル)、셋(セッ)と数える固有語の数字は、ものの個数や人数、何時かを言うときに使います。일(イル)、이(イ)、삼(サム)と数える漢字語の数字は、値段、何分、電話番号、階数に使います。そのため세 시 십 분(セ シ シプ プン、3時10分)のように、一つの言い方の中に二種類が一緒に出てきます。固有語の하나・둘・셋・넷は、後ろに単位が来ると한(ハン)・두(トゥ)・세(セ)・네(ネ)に縮まります。大きな金額は日本語と同じく万の単位で区切って言います。
- 固有語:하나 둘 셋 넷 다섯(ハナ トゥル セッ ネッ タソッ)、個数・人数・時刻
- 漢字語:일 이 삼 사 오(イル イ サム サ オ)、値段・分・電話番号・階
- 例:두 개(トゥ ゲ、2個)、세 명(セ ミョン、3人)、네 시(ネ シ、4時)/오천 원(オチョン ウォン)、십 분(シプ プン)、삼 층(サム チュン)
助けが必要なとき
早口で返ってきて聞き取れなかったら、もう一度お願いするのはまったく失礼ではありません。緊急のときは警察112、火災・救急119に連絡し、周りの人に도와주세요(トワジュセヨ)と大きな声で伝えてください。
- 도와주세요(トワジュセヨ):助けてください
- 한국어 잘 못해요(ハングゴ チャル モテヨ):韓国語はあまりできません
- 천천히 말해 주세요(チョンチョニ マレ ジュセヨ):ゆっくり話してください
- 다시 한번 말해 주세요(タシ ハンボン マレ ジュセヨ):もう一度言ってください
言葉に詰まったときのコツ
用意した文が出てこないときは、ものの名前に주세요を付けるだけでもたいてい意味は通じます。宿の住所、行きたい場所、食べたい料理はハングルでスマートフォンに保存しておき、画面を見せれば発音の心配がありません。翻訳アプリを使うときは、短く単純な文で入力したほうが結果が正確になります。何より、最初に안녕하세요、最後に감사합니다を添えるだけで、たどたどしい韓国語でも雰囲気がぐっとやわらかくなります。
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